ヤマハのジャズ向け細管トロンボーン試奏:YSL-891Zはいい楽器

ヤマハミュージック福岡店で、5/11~19にかけてホルン・トロンボーン展示会が開催された。私は18日のミニライブとトロンボーン体験会に出演した。ご来場ありがとうございました。

今回の展示会では、珍しくジャズ向けの細管の楽器も展示されていた。その中で、YSL-891ZとYSL-895ENの2本を試奏させてもらった。

私が普段使っている楽器は安物なので、それと比べると2本ともハイスペックだった。

左がYSL-891Z、右がYSL-895EN

え、スライドこんなに軽くていいの?

驚いたのが、2本とも楽器が軽い。特にスライドが軽い。こんなに軽くて、ちょっとぶつけたらすぐ凹まない?と心配になるレベル。YSL-891Zはスライドが本当に軽くて、細かいフレーズも吹きやすい。

YSL-895ENも扱いやすい。YSL-891Zと比べると、楽器の全体が軽い印象を受けた。持つだけで緊張感が走るほど。

どちらもヤマハのジャズ向け機種の最上位モデル、さすがいい楽器は違うなあ。

とにかくよく鳴る

次に驚いたのが、楽器の鳴り方。これだけ軽い楽器が、それはもうよく鳴る。私の楽器は何なんだ、というレベルで。

YSL-891Zは、マウスパイプがNYモデルとLAモデルの2種類あって、ネジ式で取り替えられるようになっている。

NYモデルは、本当に細管の楽器?というレベルでよく鳴る。大音量だと音が太い。太管に近いかも。さすがビッグバンドやホールを想定されただけある。

LAモデルは、活かせる音量は限られるが、音の粒がはっきりしている。小編成などにいいかも。

どちらも甲乙つけがたいけれど、個人的にはNYモデルの鳴り方が好き。

YSL-895ENは、また全然違った鳴り方。自分に返ってくる音がYSL-891Zよりも大きい印象を受けた。カタログには「ダークな音色」とあるけれど、ダークさは音色の奥の方にひそんでいる感じ。こちらもよく鳴る。

YSL-891Zをミニライブで使った。新鮮な感覚だった。普段の私の演奏を知っている方が聴きに来てくださったので聞いてみたら、やっぱり音色が全然違ったとのこと。いい楽器は凄いなあ(語彙力…)。

最上位機種が(比較的)安い値段で手に入る

今回試奏したYSL-891ZとYSL-895ENは、どちらも30万円台後半。

最近は楽器がどんどん値上がりしている。一級品となると、40万円や50万円は平気でかかる。その中で、最上位機種が30万円台で手に入るというのは、かなりお手頃だ。

個人的に気に入ったのはYSL-891Z

どちらもとてもいい楽器だなと思った。鳴りのよさ、スライドの軽さ。

あえてどちらか選ぶなら、私はYSL-891Zだ。一番大きいのは、音色の好みだ。2本の音色はかなり違った。私の好みに刺さったのはYSL-891Z。本体にほどよい重さがあって、スライドワークが軽いのも好みに合っていた。

もし機会があれば、ヤマハのジャズ向け細管トロンボーンをぜひ試奏してみてください。驚くかも。