極端な完璧主義者だった昔の私へ

何事もある程度見切りをつけないと、いつまでも先に進めないよ。

「完璧な理解」なんてありえない

完璧にやろうなんて考えるのがそもそもの間違いだ。たとえば勉強なら、やればやるほど理解の解像度が上がって、それまで見えなかった疑問が見えてくる。完璧にわかるときなんて一生かけても来ない。「完全に理解した」なんて認識は、勉強が足りないから出てくる。

ある分野のプロフェッショナルでも、わからないことがあるからこそ、日夜研究に励んでいる。プロなら完璧にわかっている!なんて、そんなことはない。

見切りをつけて先に進め!

勉強や練習をしていて、ある程度できた、と思ったら、次に進めばいい。進んだ結果歯が立たないなら、少し戻って復習する。それを繰り返すと、少しずつ先に進める。

一進一退していると、自分の至らなさばかり感じる。でも、何かを習得するなんて、その繰り返しだ。少しできるようになったとぬか喜びして、打ちのめされて、また戻ってやり直して、また進んで。

そうして背伸びして先に進みながら、痛い目にあいつつ少しずつ理解を深めていく。

音楽の訓練だって同じ

トロンボーンでいえば、基礎が大事だからといって単純な基礎練習ばかりやっても、他の技術が身につかない。実践的な演奏技術や音楽力を身につけるなら、エチュードの練習、ジャズならトランスクライブなどの訓練が必要だ。

たとえばジャズトロンボーンでは、J.J. ジョンソンを押さえるのは大事だ。でも「100%理解したい」なんて思っていると、模倣だけで一生が終わってしまう。もちろん深い研究は大事だが、100%は無茶だ。どこかで見切りをつけて、他の研究に移る方がいい。

良い意味でのいい加減さが必要

昔の自分がこの文章を読んだら、「なんていい加減なんだ」と言うかもしれない。でも、ストレスばかり感じて結果を出せないよりは、こっちの方が無理がなくて効率もいい。

普段のものの見方がストイック過ぎるなら。ある意味いい加減に考えて、先に進んでみよう。