「しっくりくる」感覚を大事に

自分の心を満たしてくれるものは何か、たまには立ち止まって考えてみるのもありだ。

仕事だけでなく日常生活でも、とにかく効率を追求しろという空気がある。でも、効率だけを求めていると疲れる。それに心が乾いて、人生が味気なくなってしまう。

むしろ、ムダに見えるものこそが生活を彩って、憩いにもなる。趣味なんてまさにそうだ。お金にはならないが、楽しくて心を満たしてくれる。

また、回り道する過程で得るものも多い。むしろショートカットを狙うよりも、急がば回れで地道に積み重ねていく方がいいと思う。ひと足飛びに成果を出そうとして、失敗した例をいくつも見てきた。

他人に迷惑をかけない範囲なら、「自分にはこれが合っている」という基準でもののやり方を選んでもいいはずだ。最近、そう思って見直したこともあるし、これまでの習慣にも少し自信を持った。

たとえば、楽器ケースは背負うよりも手持ちで運ぶ、豆をひいてコーヒーを淹れる、SNS全盛の今に稼ぎ目的でもないブログをやる、など。どれも効率からは離れているが、やると充実した気分になれる。

悩みもある。本はなるべく電子書籍で読んでいるが、本当はしっくりくるのは紙の本だ。でも紙の本にはスペースなどの保管コストがかかる。部屋の広さにも限度があるし、今後どうするか。